「カウントフリー」「データフリー」とは?
通信量がカウントされない
最近は、スマホでネット検索するだけでなく、音楽ストリーミングで曲を聴いたり、YouTubeやNetflix等で動画を見たり、いろいろなアプリでデータ通信をするのが当たり前になってきました。
「カウントフリー」「データフリー」とは「特定のアプリやWEBページのデータ通信がカウントされず、速度制限時も高速通信で使える」サービスのことです。
海外では「ゼロ・レーティング」と呼ばれたりします。
例)「インスタグラム」が「カウントフリー」なら
例えば「インスタグラム」がカウントフリーの対象であれば「インスタグラム」はいくら使ってもデータを消費しません。
また、他のアプリでデータ消費をたくさんして速度制限になった場合でも「インスタグラム」だけはサクサク使えます。
「カウントフリー」の仕組み
通信事業者はユーザーが通信をする際に「どこからどこにデータが送られているか」がわかりますが、それらのログに特定のドメインがあった場合は、データ量をカウントしないようにしています(たしか)。
もちろん、ユーザー1人1人の通信ログをチェックするのでなく、機械で自動で検知しているわけですが。
カウントフリーを問題視する声もあった
カウントフリーは、私が格安SIMの会社に勤めていた頃に格安SIM業界で話題になった技術です。
ただし「ネットワークの中立性(ネット上のデータは全て平等に扱うべきという考え方)」や、憲法の「通信の秘密」などに抵触する?しない?、などが話題にあがりました。
現在はそのへんは曖昧なままサービスとして浸透してしまった感があり、いくつもの格安SIMでサービスで提供されています。
カウントフリーが向いてる人
カウントフリーが向いてるのは、
です。
「インスタグラム」だったり「YouTube」をしょっちゅう使って月末付近に速度制限になってしまうなど、速度制限の原因がはっきりしてる人にはおすすめです。
カウントフリーが向いてない人
どのアプリもまんべんなく使う人
しょっちゅうスマホを使い倒してる人
毎月データを使いきれない人(速度制限にならない人)
などはカウントフリーがあっても、あまり効果がないと思います。
特に「データを使いきらない人(速度制限にならない人)」はカウントフリーの恩恵を受けることは皆無なので、カウントフリーは不要です。
カウントフリーの格安SIMを選ぶ際の注意点
月額料金がやや高くなる
「カウントフリー」は特定のアプリはいくら使ってもデータ消費されないため、普通のプランより月額料金がやや高くなります。
「カウントフリーになる特定のアプリがなにか」にもよりますが、だいたい+月額80円〜400円くらいです。
ドコモ/au/ソフトバンクから乗り換える場合は5,000〜6,000円安くなる事はザラなので、この程度の値上がりはあまり気にしないでいいと思いますが。
通信速度が遅い場合も
そこの格安SIM自体の通信速度が遅い場合や、カウントフリーになる通信だけやや遅くしてる場合などがありえます。
例えばYouTubeなどの動画アプリがカウントフリーだと、大量に使われたら通信帯域をすごく圧迫されるので、一定の速度に制限していることがあります。
カウントフリーのある格安SIM比較
格安SIM | カウントフリー 対象アプリ |
||
LINEモバイル | 全ての月額プランにカウントフリーが搭載されてる。 その分、月額プランは相場より+80円くらい高く設定されてる。 各プランのカウントフリー対象は以下の通り。 LINEフリープラン コミュニケーション MUSIC+プラン |
||
DMMモバイル | 月額プランにプラスして「SNSフリー(月額280円)」を申込む形。 カウントフリー対象は以下の通り。 SNSフリー |
||
DTI SIM | 専用のSIM「DTI 見放題SIM」を契約する形。 かなり前からある格安SIMだが、 やや怪しいWEBサイトの作りになってる。 また、データSIMのみなのが最大のデメリット。 カウントフリー対象は以下の通り。 YouTube見放題SIM YouTube、Twitter、就職情報サイト「マイナビ」・学生用サイト「マイナビ学生の窓口」 |
||
Links Mate | 月額プランにプラスして 「カウントフリーオプション(月額500円)」を申込む形。 カウントフリー対象アプリ、サイトはこの中で1番多い。 カウントフリー対象は以下の通り。 カウントフリーオプション ゲーム:40種類以上 SNS:インスタグラム、twitter、Facebook エンタメ:Abema TV、niconico、AWA、ファミ通.comなど複数 |
カウントフリーのある、おすすめ格安SIM
カウントフリーを提供している格安SIMはちょこちょこありますが、その格安SIM自体がイマイチだったりするので、おすすめできる「カウントフリーの格安SIM」は意外と少ないです。
現状おすすめなのは、「LINEモバイル」「BIGLOBEモバイル」「Links Mate」といったところです。
「DTI SIM」の「YouTube見放題SIM」は音声通話SIMの提供がないですし、「DMMモバイル」は「SNSフリー」の通信速度の評判が悪いので、パスします。
インスタ使うなら「LINEモバイル」
特徴
LINEモバイルはソフトバンクのグループ会社になった事で、安心感がグっと増しました。
格安SIMは群雄割拠の時代なので、小さな会社だといつの間にかサービスが終了しちゃう可能性もありますが、LINEモバイルはまず大丈夫でしょう。
LINEモバイルの1番の特徴はプランが全て「データフリー」になっている点。
「データフリー」と特定のサービスはいくら使ってもデータ容量(ギガ)が消費されない&速度制限になっても高速通信で使い続けられる、というサービス。
例えば「コミュニケーションフリープラン」なら、インスタグラム/twitter/Facebook/LINEといったSNSアプリがデータフリー対象になります。
インスタグラムは、データ消費が激しいので、インスタをよく使う人ならLINEモバイルはおすすめの格安SIMです。
使えるスマホ
回線 | ドコモ/au/ソフトバンク |
使えるスマホ | ドコモのiPhone・Android (SIMロック解除不要) ソフトバンクのiPhone (SIMロック解除不要) ソフトバンクのAndroid (SIMロック解除必須) auのiPhone (iPhone 8以降を除きSIMロック解除必須) auのAndroid (SIMロック解除必須) SIMフリーのスマホ (そのままでOK) |
LINEモバイルは「ドコモ」「au」「ソフトバンク」の3回線を取り扱っているので、手持ちのスマホをそのまま使える可能性が高いです。
通信速度・品質
LINEモバイルは通信速度はまあまあ、au回線はやや遅い時もある感じです。
ただし、朝8時台・昼12時台・夜18時台は1Mbpsを下回る事が多く、動画も再生できないわけじゃないですが、低画質などになる可能性があります。
これらの時間帯はできればWi-Fiを使うといいでしょう。
現在、私はLINEモバイルのソフトバンク回線を使ってますがストレスを感じることはないです。
通信速度の実測値
■ドコモ回線
■au回線
■ソフトバンク回線
料金プラン
■LINEフリープラン
データSIM (1GB) |
500円 |
SMS付きSIM (1GB) |
620円 ※au回線は提供なし |
音声通話SIM (1GB) |
1200円 |
LINEフリープランは「LINE」がデータフリー対象です。データ容量は1GBしか選べません。
■コミュニケーションフリープラン
SMS付きSIM | 音声通話SIM | |
3GB | 1,110円 | 1,690円 |
5GB | 1,640円 | 2,220円 |
7GB | 2,300円 | 2,880円 |
10GB | 2,640円 | 3,220円 |
「コミュニケーションフリープラン」はLINE/インスタグラム/twitter/Facebookがデータフリー対象です。
データ容量は3GB/5GB/7GB/10GBから選べます。
■MUSIC+プラン
SMS付きSIM | 音声通話SIM | |
3GB | 1810円 | 2390円 |
5GB | 2140円 | 2720円 |
7GB | 2700円 | 3280円 |
10GB | 2940円 | 3520円 |
「MUSIC+プラン」はLINE/インスタグラム/twitter/Facebook/LINE MUSICがデータフリー対象です。
データ容量は3GB/5GB/7GB/10GBから選べます。
特徴・メリット
インスタ好きの味方:LINEモバイルは最安値なのに通信速度も安定感があり、高いレベルでバランスがいいのが利点です。
プランもほぼ1GB刻みであるので、2GBじゃ足りない時はプラン変更して使うのにも適しています。
ポイント還元◎:毎月料金の1%のLINEポイントが貯まります。LINEポイントはLINE Payにチャージしてコンビニやカフェで使えて、けっこう便利です。
LINEで問い合わせ:格安SIMに乗り換えて、特に最初の頃はわからない事が出ることも。LINEモバイルはLINEアプリのトーク機能で友だちと会話するようにオペレーターに問い合わせできるので、すぐに疑問を解決できます。
弱点・デメリット
昼はやや遅い:LINEモバイルだけじゃないですが、多くの格安SIMは朝8時台・昼12時台・夕方18時台は遅くなります。
ネット検索、twitter、ニュースアプリ、などは普通に使えますが、動画を見る際は読み込みにやや時間がかかる可能性があります(画質も低〜中画質くらいで見る感じになる可能性あり)。
高速OFFにできない:人によっては1回も使わない機能ですが、格安SIMによっては高速通信をOFFにして低速通信にすることができますがLINEモバイルはできません。
低速通信にするとデータ容量(ギガ)が消費されなくなり節約できるので、人によっては、速度制限になりそうならOFFにしておいていざという時にONにする、なんて使い方をします。
LINEモバイルの感想&公式サイト
YouTube/Abema TVなら「BIGLOBEモバイル」
特徴
BIGLOBEモバイルの特徴は「エンタメフリー・オプション」です。
音声SIMで使う場合、月額プラン+480円で使えます。データSIMなら月額+980円
YouTube、YouTube Kids、Abema TV、U-NEXT、音楽ストリーミングアプリ全般、radiko、Facebook Messengerなどカウントフリーになる対象が多いし、なにより動画が見放題なのはレアです。
現在の私のメインスマホもBIGLOBEモバイルを使っています。
使えるスマホ
回線 | ドコモ/au |
使えるスマホ | ドコモのiPhone (SIMロック解除不要) ドコモのAndroid (SIMロック解除不要) ソフトバンクのiPhone (SIMロック解除必要) ソフトバンクのAndroid (SIMロック解除必要) auのiPhone (iPhone 8以降を除きSIMロック解除必須) auのAndroid (SIMロック解除必須) SIMフリーのスマホ (そのままでOK。ドコモ回線が無難) |
BIGLOBEモバイルは「ドコモ」「au」の2回線を取り扱っています。
ドコモのスマホはそのままSIMを挿し替えるだけで使えます。
auのスマホの人はSIMロック解除をすれば使えます。古いauのスマホで「au VoLTE非対応機種」の人はスマホを買い換える必要があります。
au VoLTE非対応機種はこちらで確認できます
ソフトバンクのスマホはSIMロック解除してドコモ回線で使うか、LINEモバイルのソフトバンク回線がおすすめです。
LINEモバイルならソフトバンクのiPhoneならSIMを挿し替えるだけで使えます。
通信速度・品質
BIGLOBEモバイルは通信速度は、格安SIMの中ではしっかり速い方です。
格安SIMは、朝8時台・昼12時台・夜18時台は著しく通信速度が遅くなる事がおおいですが、BIGLOBEモバイルの場合、昼12時が遅いだけで、それ以外は1日を通してそこそこ速い速度がでています。
昼間も動画を再生できないわけじゃないですが、低画質になる事が多いです。
昼の時間帯はできるだけWi-Fiを使いましょう。
私は現在、実際にBIGLOBEモバイルを使ってますが、全然ストレスを感じません
通信速度の実測値
■ドコモ回線
■au回線
料金プラン
データ SIM |
SMS付き SIM |
音声 SIM |
|
1GB | ー | ー | 1,400円 |
3GB | 900円 | 1020円 | 1,600円 |
6GB | 1,450円 | 1,570円 | 2.150円 |
12GB | 2,700円 | 2,820円 | 3,400円 |
20GB | 4,500円 | 4,620円 | 5,200円 |
30GB | 6,750円 | 6,870円 | 7,450円 |
■エンタメ・フリーオプションの料金
BIGLOBEモバイルのカウントフリーは、「エンタメ・フリー」というオプションに加入するパターンです。
下表の料金が月額に追加されます。
SMS付き /データSIM |
音声 SIM |
|
1GB | 申込み不可 | 申込み不可 |
3GB | 980円 | 480円 |
6GB | ||
12GB | ||
20GB | ||
30GB |
特徴・メリット
通信速度は安心:BIGLOBEモバイルは通信速度が速くて安定してます。昼12時台だけちょっと遅いですが、それでも1Mbps近くは出ていて他社よりは速いです。
スマホは1Mbps出てれば動画も見られます。
公衆Wi-Fiが無料:6ギガ以上のプランを使えば街中のWi-Fi(公衆無線LAN)が無料で使えます。6ギガ未満のプランでも月額250円で使えます。
キャンペーンが◎:SIM単体でも端末セットでもそれぞれの申込みにキャンペーンが用意されてます。月額料金を数ヶ月割引するか、端末代金を割引する内容が多いです。
弱点・デメリット
ポイント還元は△:BIGLOBEモバイルは使ってるとGポイントというマイナーなポイントが貯まりますが、貯まる率が低すぎます。
月額料金が2000円だと10ポイントしか貯まりません。
■BIGLOBEモバイルGポイント還元率
◯2年未満の利用者:月額料金×0.5%
◯2年以上〜10年未満:月額料金×0.7%
◯10年以上〜15未満:月額料金×0.9%
◯15年以上:月額料金×1%。
高速OFFにできない:人によっては1回も使わない機能なのであまり気にしないでもOKですが、BIGLOBEモバイルは高速通信をOFFにして低速通信にすることができません。
低速通信にするとデータ容量(ギガ)が消費されずデータを節約できます。速度制限になりそうならOFFにしておいて、ちゃんと使いたい時だけONにしたりする人もいます(私はしないですが)。
BIGLOBEモバイルの特徴&感想&公式サイト
カウントフリーまとめ
カウントフリーは、なかなか魅力的なサービスですよね。今後もカウントフリーサービスを提供する格安スマホ会社は増えてくることが予想されています。
というのも、WEBでニュースサイトやアプリを作っている格安スマホ会社なんかは、それらをカウントフリーにすれば、より気軽に自社のサイトやアプリを使ってもらうことになり相乗効果が期待できるためです。
LINEモバイルなんかはまさにその典型だね。
というか、体感的にはそんなに差を感じないと思います。